
以前、「冬の夜空に響く調べ」で、冬や夜空にちなんだ曲をいくつか取り上げました。今回は、その際一緒に載せると話が長くなってしまうので、また別の機会に、と考えていたエピソードを紹介したいと思います。
人気アニメ「名探偵コナン」には、”ピアノソナタ「月光」殺人事件”というエピソードがあります。
1996年にテレビでの放映が始まったシーズン1の作品です。このエピソードはどうやら特別人気が高く、リメイク版が25年後の2021年にテレビ放送1000回を記念して制作されました。
(インターネット上では、リメイク版は省略が多くオリジナル版の方が評価が高いようですが、、、)
満月の夜、ベートーヴェンのピアノソナタ「月光」の第1楽章、第2楽章のメロディに合わせて殺人が起こり、殺人現場には「月光」の旋律にメロディを書き加えた楽譜が残されている、というものです。実際に、「月光」の第1楽章、第2楽章が流れます。
私は、最初リメイク版で見ましたが、その後オリジナル版をインターネットの公式ページで見つけて改めて視聴しました。
ご興味のある方は、 - 名探偵コナン「ピアノソナタ「月光」殺人事件」ー で検索してみてください。
ここから先は、いわゆるネタバレを含むことになるため、これから視聴しようという方はご遠慮いただいた方がよろしいかと、、、、
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「月光」の調べに合わせて第1、第2の殺人事件が起きますが、「月光」は「冬の夜空に響く調べ 」でも紹介したように、3楽章からなるピアノソナタです。つまり、殺人はまだ終わってはいない、ということを暗示しています。
書き加えられたメロディは、実は暗号で犯人からのメッセージでした。コナンは、ピアノが弾けるガールフレンドの”蘭”の言葉をヒントに、それがピアノの鍵盤に基づく暗号であることを突き止めます。
つまり、88鍵盤のフルサイズのピアノの左端から、黒鍵も含めて順番にアルファベットを当てはめていき、楽譜のメロディをそのアルファベットで書き直すと、犯人のメッセージが浮かび上がるのです。そして、88鍵盤のピアノの左端は、一番低い「ラ」で音名は「A」です。
実際にアルファベットに当てはめてみるとこうなります。

第1の殺人の後に残されていたメッセージの楽譜の一部を、上の鍵盤のアルファベットで書き直して左から順に読んでいくと、次のようになります(楽譜には続きがあります)。

「 WA KA TTE RU NA 」 つまり、 「 わかってるな 」
となります。
ただ、ピアノに携わるものとしては、楽譜が表す実際の音に即して暗号を設定してほしかった、というのが本音です。というのは、暗号の元になっている上の鍵盤のアルファベットでは、Aは一番低い「ラ」で、上の楽譜の「ラ」ではありません。それで、鍵盤のアルファベットを繰り返して、下の図のように実際の音を表すようにしてほしかったのです、青山剛昌先生!!


そして、上の暗号の楽譜をこの鍵盤図のアルファベットに当てはめると、
「 U Y I Y R R C P S L Y 」 となってしまいます。
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とにかく、名曲ピアノソナタ「月光」は名探偵コナンをもひきつけてきたのです。
(正確には、作者の青山剛昌氏を、と言うべきでしょうが、、、)
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